現在開発中の製品であるNICO-48に関して、先日米国での特許査定がおりました。既に日本とシンガポールでは特許取得していましたが、製品ターゲットの米国で特許査定となったことから、製品開発を本格化させる予定です。現在、EU・中国などでは、審査中です。本特許は、製造元とギンレイラボの共同出願特許です。本特許には、細胞の観察と細胞が分泌した物質を隣のウエルで定量化するCell-Secretion ELISA(仮名)の機能が含まれます。これにより、例えば細胞が分泌する細胞外小胞のエクソソームを細胞の状態を観察しながら隣のウエルで定量化することが可能となります。細胞外小胞のうち、ターゲットとしているエクソソームは、サイズが50nm~150nm程度と小さく、抽出の過程で容器に吸着し、小さいウエルの細胞からでは、ほぼ無くなってしまいます。よって、96ウエルプレートなどでスクリーニングを試みても、抽出過程で無くなってしまうのです。例えばエクソソームの分泌などに影響を与える薬剤をスクリーニングするには、大きなDishで細胞を培養し、薬剤を添加・エクソソーム抽出し測定するといった作業になります。事実上多くの薬剤スクリーニングをすることができません。それらの問題を解消する技術となります。細胞が分泌するエクソソームは、NICO-1での共培養の際に見られるように、間にあるフィルターを通りぬけて隣のウエルにまで移動します。よってNICO-48の一方のウエルに細胞を撒いて、薬剤を添加すると、分泌されたエクソソームが隣のウエルに移動して、そのウエルで抗体反応を利用して吸着させて定量します。ELISAの技術です。このように、NICO-48の一方のウエルに細胞を撒いて、細胞の状態を観察しながら、隣のウエルで細胞の分泌物を定量する仕組みを新たな特許として出願していました。細胞と細胞の分泌物を同時に可視化・定量化する技術がCell Secretion ELISAとなります。